岩手県交通 岩手200か・・51/坂の下

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KC-LR333F/I-BUS/98-9

遠野営業所に所属する早池峰バス自社発注のLRです。

 F尺トップドアにメトロ窓という特徴的な仕様で、車内にはリクライニングシートが並びます。登場時には遠野ローカルが貸切代替路線であったためか塗装は国際貸切カラーとなっているほか、行先表示は前面小型幕に側面サボと雰囲気満点です。

2017年春の早池峰バス統合後も同仕様の車両が複数残存していたようですが、現在在籍しているのは51号車のみとなっています。遠野営業所最古参となった本車ですが、ポンチョをはじめとする着席定員の少ない低床車が増加した現在ではその座席数の多さから使い勝手の良い存在となっているようで、当面は活躍が見込めそうです。

附馬牛線をはじめとする遠野管内各線で使用されています。

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中央通りにて ハヤチネウスユキソウのマークや通し番号など、随所に早池峰バス時代の名残がみられます。

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坂の下にて 「非常口」のイメージが強いKC-以前のLRですが、この時期になるとピクトグラムが使用されています。

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坂の下にて 車内は補助席無し、シートベルト付きのリクライニングシートが並びます。モケットは同時期の青銀LRと共通のようです。

乗車記

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遠野駅前にて 附馬牛線の始発地は本社営業所となっています。

当日は午前中に紫波912号車と当時解体中だった大迫バスターミナル跡を撮影し、釜石線で遠野入りしました。快速はまゆりの車内からちらっと見えた遠野営業所には国際貸切カラーのバスが確認でき、前回訪問時のように姿さえ拝めないということはなさそうでまずは一安心。

いかにも観光地らしい雰囲気の遠野駅前で待つことしばらく、「坂の下」の幕を掲げた51号車が姿を現しました。遠野駅前からは学校帰りとおぼしき学生とお年寄りがどどっと乗車し、予想以上の混み具合に。この日は水曜日で遠野周辺の一般路線バスの運賃が100円・200円となるためか、遠野市街地では最終的に座席がさらっと埋まるくらいの利用がありました。早瀬川を上早瀬橋で越え、遠野病院や福祉の里では律儀に玄関前まで乗り入れます。このあたりから家並みが途切れ始め、しばらく走るとカッパ淵最寄りの足洗川です。

足洗川を過ぎると県道160号線を北に向かって快調に進みます。市街地からの乗客もパラパラと降りていき、気づけば車内は随分静かになっていました。地区センターや郵便局の集まる附馬牛の中心部では旧道へ。附馬牛線の経路でセンターラインが消えた区間は附馬牛の旧道、上柳バス停手前の数百メートルだけでした。

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上柳にて(復路撮影) 薄くなったセンターラインに郵便局、小さなガソリンスタンド。いかにもな北東北の旧道です。

附馬牛の中心部を過ぎて現道に戻り、数分走れば終点坂の下に到着です。バス停先の少し膨らんだところで転回し、待合小屋の横に付けて発車まで待機します。

車両のダウンサイジングが進み趣味者にも注目されにくい遠野地区ですが、日本のふるさとを謳うのどかな風景の中をゆくローカルバスの車窓はそれだけで来て良かったと思えるものでした。51号車もまだしばらくは活躍するようですので、機会があれば遠野に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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坂の下にて 2月上旬だというのに田畑にはほとんど雪がなく、枯草色の風景が広がっていました。

【2019年2月訪問】