KK-LR333E1/I-BUS/01-6
頸南バスに所属するE尺ミオです。
2台のみ製造されたLR333E1の片割れで、型式から分かる通り板サスとなっています。側面行先表示はマルケ-らしくサボが使用されており、サンプル上がりとされる出自も相まって小さい車体に属性山盛りの1台です。
頸南バスの営業エリアは冬期の積雪も多く厳しい環境であるものの、内装や外板は綺麗に保たれており、寒色系のすっきりした色使いと相まって多雪地の20年落ち路線車とは俄に信じがたいフレッシュな雰囲気を纏っています。
ネット上では廃車済みとの言説も見られますが、2021年5月時点で現役です。
※本記事の車両写真は2019年4月に菰立線の終点にて撮影したものです。
乗車記
-新緑がまぶしい5月の朝、山間の始発地で街へ出るバスを待ちました。
新井から飯山へ抜ける国道292号の沿線、長野県境近くに位置する長沢集落へは、地元NPOが運行するコミュニティバスの他に頸南バスが運行するスクール混乗の定時定路線バスが僅かながら設定されています。朝に新井へ出て夕方に長沢へ帰るダイヤのため長沢まで/からの手段が問題になりますが、今回は友人に車を出してもらってアプローチしました。
道端のバス停で待つことしばし、発車時刻の数分前に回送幕のバスが姿を見せました。長沢付近では長沢川を挟んで左岸側に国道の現道、右岸側に旧道が走っており、回送で登ってきたバスは旧道をぐるっと回ることで切り返すことなく新井へ向かいます。標柱の横に停まり、前幕・リア幕を「スクール」にセットして準備は万端。この手の路線の常で、音声合成や運賃表示器は使用していませんでした。
長沢を出ると僅かな区間旧道はすぐに終わり、その後はひたすら国道を進みます。 途中には未改良の区間もありますが、土曜日の朝は交通量も少なく、離合に難儀する場面もなく淡々と川沿いを下って行きます。
猿橋を過ぎると未改良区間は消え、後続車をかわしつつ2車線の国道を新井方面へ向かいます。中宿の先で右折して国道を離れ、関川右岸へ。この付近は小さな段丘のようになっており、川上を過ぎたあたりで車窓が一気に開けます。時折狭いところに突っ込みつつ、みなかみの里を過ぎて再び関川を渡るとまもなく新井の市街地です。
新井の市街地ではまずけいなん総合病院に寄りますが、けいなん総合病院~新井バスターミナル間は、旧北国街道経由でバスターミナルへ向かう板倉行きと異なり新井中を経由します。新井中を過ぎ、右折→右折で駅方向に進路を取ってあとはバスターミナルに直行...と思いきや、八十二銀行の前の中町交差点で左に折れて中町をぐるっと回り、駅前を通って終点の新井バスターミナルに到着です。長沢から新井まで45分、県境の集落から市街地まで、朝の爽やかな光線を受けて輝く車窓を堪能する楽しいひとときでした。
頸城自動車や妙高市のサイトを見ても「長沢スクールバス」の運賃表は掲載されていませんが、長沢から新井バスターミナルまでの運賃は500円でした。コミュニティバスの同区間の運賃は300円ですから、異なる運賃体系が適用されているようです。
【2021年5月訪問】