ローカル枝線に入る胡散臭いクルマはお好きですか?
イロモノばかりの栃電バスに、またしてもイロモノを増やしてしまいました。
ネットで見かけた怪しいあのクルマ、前面窓からワンマン機器が見えるけれど路線で使っているのだろうか。小さく写った前面幕を見てみると、行先はどうやら時刻表の片隅に載っている廃止代替路線の終点らしい。それなら今度見に行ってみようか……
廃止代替バスと言えば、皆様大好き旧21条です。貸切登録の言い訳なのか、路線車ベースで貸切風に仕立てられた絶妙に胡散臭い車両がローカル路線を行く様は、バスマニアの心を掴んで離しません。
今回は、そんな胡散臭いクルマを模型で作ってみました。ボデーは既製品からでも作りやすい7Bで、シャーシは当然いすゞです。ローカル枝線にフルサイズ大型車は過剰なため、コロッとしたシルエットが可愛い大型短尺に仕立てました。
種車はバスコレ16弾遠鉄バスです。ボデーは前面幕の印刷ベースを切除してから短尺化しました。バスコレの遠鉄7Eは日野シャーシですので、パネルラインやリッドは適宜修正します。中扉部分はスーパークルーザーに前バンパーを供出して転がっていた江ノ電限定のボデーを使用しました。エコですね。
側面窓は遠鉄7Eを2台分奢ってメトロ窓にしました。ちなみに、メトロ窓のクルマは引き違い窓の前後が逆になると想像以上に違和感が大きいため、左側面の窓が不足しがちです……
前面窓には毎度お馴染み17弾伊予鉄ブルーリボンを使用しました。ほぼジャストフィットですが、上部がややすいてしまうためボデー側にプラ板を貼り付けて調整しています。
チャームポイントと言える前面幕は、t0.5プラ板にピンバイスで開口してから、トレジャーのバス用パーツ集#9に収録されているHゴムを瞬着で貼り付けました。屋根のシール部も、マスキングしてから白パテをラッカーで溶いたものを筆塗りして再現しました。テールは豪華に3連テールです。「一応貸切登録だから」と言わんばかりに、路線バスにしか使わないのに微妙に貸切っぽい仕様を採用するのが旧21条のキモと言えましょう。
さて、塗装に移りましょう。塗料メニューは毎度同じのため割愛。絶妙な中間色が調色無しで手に入るのがありがたい限りです。細帯が多く毎回マスキングが面倒です()
誰かのせいにしたいですが自分の顔しか思い浮かびません。困りましたね……
基本塗装が済んだら、色差しや表記入れです。前扉や側面窓下のモールはマスキングして塗り分けました。いつも通りトレジャーのワンマンスピーカーやサボ受けと自作デカールをペタペタ貼っていきます。内装は乗合車と同じくえんじ色のシートに。富士重らしい?前扉裾のステンレス板はミラーフィニッシュで再現しました。行先は「合子沢」としました。
プラ端切れで作ったミラーやバックアイカメラ、前面窓から覗く運賃表示器などを追加して、軽くウェザリングすれば完成です。
-完成-
納得の胡散臭さに仕上がりました。廃止代替路線に乗りに行ったらのっそり現れそうな雰囲気を出せて満足です。BU目当てのマニアの写真に見切れておいて、本人はさほど騒がれずに2010年台半ばにあっさり廃車になっていそうです。良いですね~~~
【2024年8月完成】