JRバスのいすゞ日野をつくる

 前作の板サス非冷房5Bに続いて、これぞ国鉄バスという仕様のC系を(民営化後の仕様で)作ってみました。

 例によって実車は見たことがないのですが、岩手のJRバスについて調べていると間違いなく登場する日野車体を載せたいすゞ路線車は、是非一度作ってみたい存在でした。古本で買ったBJハンドブック「JRバス東北」を眺めながらため息を吐く日々…


 とはいえため息を吐いているだけでは欲しい模型は手に入りませんので、ざくざく工作していきましょう。

 種車は順当に12弾のシークレットです。シークレットということで場所によっては切り刻むのをためらう値段が付いていたりしますが、今回は運良くお手頃価格で入手できました。

足して二で割ります。

ところで12弾、前面小型幕のクルマがシークレット以外入っていないのは何とかならなかったんですかね…… 20弾の3Eといい、せっかくモノコックを出すならイロモノだけでなく「前中or前後扉、非冷房、標準床で前面小型幕」みたいなプレーンな仕様の事業者をきちんと入れておいてもらえると非常に助かるのですが(苦笑)

 

 工作は切継ぎによる車体短縮を基本とし、裾形状の変更、灯具類の交換を行いました。

 まずは前面とリアのディティールを一旦削除し、車体を切り詰めます。カッターの刃を車体に沿って当て、灯具やバンパーなどをそぎ落とすように切り取ります。削除後はペーパーで軽く表面を整えて、尺詰めに移ります。

前面ディティールを削除した状態。ここからいすゞ車に寄せていきます。

 実車は短尺と標準尺がいたようですが、今回は手持ちの動力がBM-01だったことからWB=32mmとしました。WB=32mmだと本来はCLM/CJM470とする方が妥当なのですが、製品の窓パーツを使って工作する場合CLM/CJM500風の窓割りにするほうが簡単そうだったため、今回は「WB=32mmでCLM/CJM500風の窓割り」としました。こだわる向きからはお叱りをいただきそうな妥協ですが、有り物で落としどころを見つけて完成まで持って行くのもひとつの方向性かなと思っています。

15弾CJMから灯具を移設。

 継ぎ目消しを済ませたら、続いてディティール復元・追加作業に移ります。
バンパーは種車のRCから、灯具や牽引フックは15弾のCJMから移設します。前扉は種車と違い上下通しガラスのため、12弾の京阪RCから移設しました。車体裾形状もいすゞ車に見えるよう修正します。グリル開口部もいすゞシャーシに合わせて修正しておきます。

 方向幕は前面、側面とも開口して透明プラをはめ込む形としました。ピンバイスで開孔し、カッターとヤスリで開口部形状を整えた後、トレジャーのバス用パーツ集#9に収録されているHゴムパーツを瞬着で貼り付けました。普段は別塗装後に接着している車外スピーカーも、本作ではこの段階で接着しました。サイドバンパーはφ0.3mm真鍮線、バックカメラはプラ片からそれぞれ自作しました。

 その他、パネルラインの修正やダクト移設を済ませて塗装に移ります。

生地完成状態

 今作の目玉とも言うべき塗装は、各種エンブレムと並んで国鉄バスの代名詞とでも言うべきセルリアンブルーの再現にこだわってみました。前作の5Bでは妥協してしまった部分でしたが、とある機会に某リバイバル仕掛け人の方から「セルリアンブルー」へのこだわりを直接伺ったこともあり、「光線で見え方が変わり、光の当たり方でギラリと車体隅が輝くつばめバスのブルー」にチャレンジしてみることにしました。

この、ヌルッとしたギラリが再現したかったんです。

 悩んだ結果選んだのが、ガイアノーツのウルトラマリンブルー(GP-05)です。当初はメタリック系の塗料も候補に入れていたのですが、1/150に使うとラメの粒子感が目立ってしまいそうで断念。お値段は張りますが、粒子感を出さずに車体隅のギラリを再現するにはこれしかない!という事で思い切って試してみることに。

一瓶880円。清水の舞台から飛び降りる気持ちで(大袈裟)

 吹きつけは、クールホワイト(クレオスGX-1)、アルミシルバー(GM39)+スーパークリアー半光沢(クレオス181)、ウルトラマリンブルーの順で行いました。私がシルバーを塗るときはたいていクリアを混ぜて塗っています。シルバーの上からマスキングするのには若干怖さがありますが、クリアを混ぜておけばたいてい大丈夫です。

アルミシルバーを塗り…

ウルトラマリンブルーを重ねる…成功!

 ご覧の通り、狙った青が出せました。発色も鮮やかで、値段にも納得です(何様)

 細部に色差しを行ってからスミ入れをします。今回はタミヤのスミ入れ塗料を使ってみました。続いて自作の動輪マークやつばめマークを貼り付け、自作デカールでレタリングを入れます。称号やJRマークの色はタイプ要素に甘えてしまったところがあり、今後折を見て修正したいところ。最後にクリアを吹けば完成です。

 

 

ー完成ー



 いいですねぇ…堪りませんね。いかにもな仕様のつばめバスを手元に置くことができ満足です。

 行先は岩手足沢にしてみました。二戸のクルマなら広告枠が欲しいところではありますが、今回はオミットしています。

ギラリと輝くセルリアンブルー…

 我が家のC系も北村、川重、日野が揃ったので、ここまで来たら滝沢の3Eも作ってコーチビルダーを制覇してみたい気もします(笑) (西工はこの時期の岩手だと縁がなさ過ぎて……)

【2023年2月完成】