毎度おなじみのバスコレ大迫シリーズ、今回は元国際のU-LVを作ってみました。
もともとの出発点は新金型のフロントとレギュラー11弾のボディで何かできないか、という思いつきでした。大迫で遅くまで残っていたP-LT(岩手200か572あたり...)も候補に入っていたのですが、この年式のP-LTは屋根上のキセがU-LR等でみられる丸みを帯びたものになっており既存のパーツが使えないため、その心配がないU-LVを作ることにしました。
本作の目玉はフロント部の交換なので、当然ながら工作は切継ぎがメインとなり、ジャーニーKやスパクルのような整形作業が無い分だいぶ気楽です。ウェザリングやミラー、サイドバンパー等々の再現も一度フォーマットを作ってしまえばあとは惰性...ゲフンゲフン 実車はショートフロントオーバーハングとなっていますが、どうせフロント交換に伴って継ぎ目消しをしなければいけないので、オーバーハングの短縮はそこまでの手間ではありません。切継ぎの際にボディ側を少し詰めればオシマイです。シャーシと内装パーツは11弾P-LVのもの(K尺)を使用し、これにあわせてホイールベースも短縮します。テールランプはP-LVのバス協テールに交換、パネルラインも一部修正しました。
さて、この951では前面の交換と共に前々から試してみたかったことをやってみました。
この時期の国際キュービックは屋根前端に水切り(?)のような薄板が取り付けられており、これが結構目立ちます。また、運転席上には通気口蓋のようなものも見え、冷房キセやベンチレータもなくすっきりした国際U-LVの屋根上においては貴重なアクセントとなっています。(画像はU-LTですが、U-LVもエボパレータキセがない以外は基本的に同じです)
しかし、製品のキュービックではこれらの屋根上表現がまるごとオミットされており、実物に見慣れてしまうと物足りなさが否めません(もちろん1台数百円のマスプロ製品としては妥当だと思いますが)。そこで、タミヤのt0.1プラペーパーや近所のホームセンターのレシートを使って屋根上のディティールアップを試みました。
屋根上に長手方向に走るリブにはレシートを使用しました。細く切り出したレシートを木工ボンドで所定の位置に仮止めし、そこにさらさらタイプの瞬間接着剤を染み込ませて固定しています。更にその上からサーフェイサーを溶いたものを塗布し、最後にペーパーで表面を整えました。水切りと蓋はどちらもt0.1プラペーパーで再現しています。マーカーランプは旧作のLT同様に所定の位置にピンバイスで開孔し、細く切り出したプラ材を差し込んでいます。
前面のクリアパーツは、窓枠までマスキングした後にタミヤセメントで車体側に固定しました。フロントの大きな窓から覗くと意外に目立つ内装色もフロント接着前に塗装しておきます。正面のリッドやコーナリングランプなどを埋めて車体裾を修正すればLV380らしさも消え、きちんとLV324に見えてきます。
塗装は白3号(GM SP-37)、緑2号(GM SP-13)、自家調色の淡緑、白3号(GM SP-37)の順に行いました。最初の白は下地のようなもので、まぶす程度に止めています。淡緑はライトブルー(クレオス C20)をベースにMSグリーン(クレオス SG06)と緑2号(GM SP-13)を目分量で加えたものをエアブラシで吹き付けました。
塗装は「薄い色から」がセオリーですが、マスキングがしやすいという理由でこの順番で塗っています。フロント窓下なども含めて一発でカッチリ塗れるのでこらえ性の無い方におすすめです(笑) 塗膜は多少厚くなりますが、墨入れをすればエッジの甘さは多少ごまかせますし、腐食表現の際には塗膜がぺりっと剥がれた方が都合が良かったりします。
基本塗装が終わったら、フロントの窓以外のマスキングを剥がして細部の色差しをします。
色差しが終わってクリアー(GM SP-44)を吹いたらようやくフロント窓のマスキングが剥がせます。今回は話題のMr.マスキングテープを使ってみましたが、ほどよく伸びて細かいところも浮かず良い感じでした。
ナンバーや幕は例によってwordで自作したものを貼り付けています。幕など白地のものは今までインクジェット用白地デカールを使用していましたが、もともと黄味がかっているうえ経年による変色も気になるので、グリアデカールを作成してGMステッカーの余白に貼り付ける方法に変えてみました。出入口標記やエンジン吸気口などトレジャータウンのパーツも使用しています。ミラーやサイドバンパーはt0.3、t0.1のプラ板の端切れを組み合わせて作成しました。
続いてはウェザリングです。腐食表現については従来と同様なので割愛して、今回は屋根上について少々。キュービックに限らず、特にKC-あたりまでのバスボデーでは屋根上に格子状の汚れが見られることが多々あります。(恐らく屋根板の下の梁あたりと関係しているのだと思いますが、この辺りの構造的な話には明るくないので藪蛇になるまえに退散します...)
模型では実車以上に目立つ屋根上のこと、一度気になってしまえば無視をするわけにもいかず、FFさんの作品も参考に再現を試みました。まずは汚れが入っている部分を残してマスキングし、エナメルのダークグレイをざっくりと筋状に塗ります。
続いてマスキングを剥がし、筆にとったエナメル溶剤をじゃぶじゃぶに乗せていきます。あとはきれいな綿棒で汚れの方向にそって叩けば、なんとなくそれらしい汚れが現れます。
最後に製品のままではやや低いシートパーツのインパネをかさ上げしてブラックアウトし、仕切り板などを軽く追加して組み立てれば完成です。
やっぱり県交通には国際U-LVが欠かせませんね!
余談ですが、この951の工作から本格的にPカッターを導入しました。便利ですねコレ...早くレザーソーも買わねば...
【2020年1月完成】