川後線に寄せて

ー川後経由、滝屋行きです。このフレーズを何度聞いたでしょうか。

いつでも乗れる、いちばん身近なローカル路線。
土曜なら川後線、日曜なら牟礼線。中型びいきの私には、県道線よりも魅力的でした。

 小田切地区の桜は平場より遅く、連休頃に見頃を迎えます。

 祝日だと川後線が走らないじゃないか、なんて。カレンダーに並ぶ赤色を恨めしく思ったのはこのときくらい。

 冬が終わり、一気に色付く箱庭の世界。最高の舞台、最高の役者。
 ーそこに乗合バスが通っているという圧倒的事実。

 終点ひとつ手前。
 尾根に張り付く集落の細道を、ゆっくり上るバスが好きでした。

 ーイレギュラー運用のときも

 ー修論に行き詰まったときも

 足が向くのはいつも麻庭でした。
 

 もちろん、終点だって素敵。とっても素敵。 

  川後に中型バスが来たのは昨日が最後。
  集落も、山々も、別にすぐ変わりはしないけれど。

【2024年3月31日】