新潟交通観光バス 新潟22か1581(G1581-I)/小花地

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KC-LR333J/I-BUS/9-10

津川営業所に在籍するLRです。

 前中引戸、二段サッシのツーステップ車で、行先を大書きした白幕も相まってこれぞローカルバスといった佇まいに仕上がっています。

現在でもテープデッキ・車内放送テープが積まれていますが流しておらず、運賃表示器も上から張り紙がされて専ら三角表での対応となっているなど、ワンマン機器は基本的に使用していないようです。また、側面幕及びリア幕は使用停止となっており、白幕無表示で固定されています。

津川営業所管内の各路線で使用されています。

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小花地にて ステッカー類が剥がされているため、僚車と比べてすっきりした外観となっています。 

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小花地にて 大規模な補修が実施されたのか、車体外板は比較的良い状態を保っているようです。

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三川駅にて 車内には新交らしい緑地に縦縞が入ったシートが並びます。

 

乗車記

この日は青春18きっぷを使用して三川へ。駅前でしばらく待っていると、交差点の向こうから「小花地」幕を表示したLRが現れました。三川駅始発の古岐行きと並んで列車からの乗り換え客を待ちますが、このときは結局私以外に列車からバスへ乗り継いだ利用者はいませんでした。

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三川駅にて 磐越西線の列車に接続をとって町内各方面へのバスが発車します。

小花地行きは基本的に三川支所始発ですが、乗り込んだ車内に他のお客さんの姿はありませんでした。三川駅を出ると国道49号を南へ向かいます。車内放送もなく、空気を運ぶ車内にエンジン音が響きます。国道は阿賀野川の蛇行をトンネルでショートカットするため、バスはすぐに国道を離れて県道17号へ。磐越道の上を越え、阿賀野川を渡ってしばらく走ると唐突に左折して細道にはいります。ここから先は終点の小花地まで基本的にセンターラインのない狭隘路が続きます。

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谷沢下村にて(復路撮影) この先に見える橋には14.0tの車両重量制限が。

谷沢の集落を抜けるとバスは鬱蒼とした森の中に入ります。揚川ダムの堤体をかすめてダム湖畔を進んでいくと、程なく終点の小花地です。三川駅からの所要時間は15分弱、時刻表上は着発となっていましたが、実際には多少の余裕がありました。

 

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小花地にて 阿賀野川を望むのどかな終点です。

 三川ローカルでは白幕・テープデッキを搭載した車両が使用され、ダイヤ面でも列車に接続した複数台同時発車が行われるなど、昨今消えつつあるローカル路線バスの構成要素が多く残されています。しかしながらその先行きは非常に厳しく、利用減と乗務員不足を理由として2018年4月1日より日祝日が全便運休(土曜日も一部の便を残してほぼ運休)となったのに続いて、今年7月には現状の乗務員不足が続けば1年後に阿賀町内の路線が全廃となる可能性があるとの報道がなされました。

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三川の中心部を行くLR。この光景はいつまでみられるのでしょうか...

今のところ路線全廃についてはあくまでも可能性が提示されている段階ではあるものの、現在の路線・運行形態に早晩変化が生じることは必至とみられ、三川ローカルに興味がある方には早めの探訪をおすすめします。

【2018年8月訪問】