当方では現在、車両工作が続いた息抜きを兼ねて、青銀LRをはじめとする大迫所属車のバスコレを飾って遊ぶためのミニジオラマを制作しています。この記事では、(本人が忘れないうちに)上屋をはじめとする主要部の塗装+αまでの工作を順を追って紹介していきます。
大迫バスターミナルの車庫を作ると決めてから最初に考えたのは、見せ場ともいえる華奢な鉄骨トラスの上屋をどう再現するかでした。使えそうな既製品の心当たりもなく、市販のトラス材も高価かつ地方在住の身には入手が難しいので、さくっとプラ板からフルスクラッチすることにして、実物写真からざっくりと寸法の見当をつけた型紙を書きました。
型紙ができたら、まずはトラスを組み立てました。カッティングマットにコピーした型紙を貼り付け、その上で所定の長さに切り出したプラ帯材を貼り合わせていきます。今回は帯材としてタミヤのt0.3プラ板をカッターで細く切り出したものを用意し、接着にはタミヤセメントを使いました。部材と部材の接合部にはt0.14プラ板を当てています。また、Iビーム等のフランジ部もt0.14プラ板で再現しています。
柱にもt0.3プラ板から切り出した帯材を使用し、これらを組み立てて上屋の骨格をつくっていきます。実物では表に化粧板が貼られていたために目立ちませんでしたが、このガレージの支柱はトラスになっており現地で横から見ると反対側が透けていたので、これも簡易的に再現しています。
屋根板はt0.5プラ板にPカッターでスジを入れたものを切り出して使いました。棟の接合部は裏側に三角形のプラ小片をいくつか当てることで多少補強しています。
上屋の基礎はt0.5プラ板、壁面はt0.3プラ板を2枚重ねとしています。基礎には更に上からt0.3プラ板を接着し、この際にプラ板を分割して境目に隙間を作ることで実物のひび割れを再現しました。また、未舗装部分はスタイロフォームを大まかに成形してベースにはめ込み、その表面にt0.14プラ板をゴム系ボンドで接着しました。
アパートかつ1階に大家さんが住んでいるという環境から、塗装は基本的に筆塗りです。パテを削った上からクレオスのMr.サーフェイサー1000を塗布して表面を整え、本塗装に入りました。
上屋の骨組みは、サーフェイサーの上からクレオスのグレーFS36622(311番)を軽く乗せたあとにタミヤエナメルのハルレッド(XF-9)とフラットアース(XF-52)を薄めに溶いたものをシャバシャバに塗り、最後に綿棒で軽く拭いました。錆色の印象が強いのでついついハルレッドをしっかり塗りたくなりますが、実物では元の塗装が結構見えており、ハルレッドも赤みが強いためそのままベタ塗りするとイメージからかなり離れてしまうので注意が必要です(これは前作の反省点でもあります)。柱のゼブラ塗装は、黄:クレオスのイエロー(4番)+GMオレンジA(17番)、青:クレオスのキャラクターブルー(110番)+ニュートラルグレー(13番)とし、帯はマスキングして塗り分けています。さらに1200番のペーパーでかすれを表現し、薄く溶いたフラットアースを乗せました。
屋根板についてはクレオスのニュートラルグレーとタミヤのフラットホワイト(LP-4)を混色して平筆で塗り、エナメルのダークグレイとフラットホワイトを薄く溶いて流すことで調子を整えています。
コンクリート部分は、クレオスのライトグレーFS36495(338番)にガイアのフラットベース(No.006)を添加し、乾燥後にエナメルのダークグレイとフラットアースを混ぜたものを被せました。コンクリートは暗い色調のイメージもありますが、新品状態ではかなり白っぽい明度の高い色であることが多いので、ベース色は意識して明るいものを選びました。
全体に枯れ気味な色合いの大迫バスターミナルにおいてひときわ目立つ朱色の給油機も、いい製品が見つからなかったのでスクラッチしました。筐体はタミヤのプラ板、ガラス部はザ・人間のパッケージ、ホースはΦ0.3の針金です。針金はそのままではやや細かったので、瓶のサーフェイサーに浸したところ丁度良い太さになってくれました。
塗装は、手元にあったクレオスのあずき色(81番)に若干量の黄色を足して筆塗りしました。メーターはBトレの209系ステッカーの列番表示を流用しています。
...なんとも締まりがありませんが、今回はここまでです。全く息抜きになっていない気もしないでもないですが、多少塗装面が荒れてもなんとかなる情景工作は、やはり仕上げがシビアな車両工作と比べればらくちんなはずです。
この後は小物類(大量のデッキブラシにがらくた等々...)や苦手な植生表現…果たして投げ出さずに完成まで持って行けるのでしょうか(汗)
つづく
(2019年10月)