世界観を拡張すべく、バスコレ改造を主体に色々やっている栃原電鉄ネタですが、栃電バスの車両が完成しても今までは大迫バスターミナルのジオラマを間借りして撮影していました。でも、それじゃあ栃電の世界観は広がらない...ということで着手したのが本作「栃電バス根張車庫」です。
1-1 出先車庫をスクラッチする
昨年、Twitter上で「#模型にしたくなるバス車庫」のタグが流行ったことがありましたが、一日数本のローカル路線を辿っていった先にひっそりと佇む出先車庫は、模型的にも、また架空事業者・架空路線の物語的にも、栃電バスの世界観を印象づけるのにうってつけの題材だと思います。
ということで、出先車庫をメインに据えたジオラマを作ろうと思い立ったのが去年の暮れのお話。細かいことは後回しにしてまずは車庫を作ってしまおうということで、型紙をざかざか書いていきました。PCでも書けないことはありませんが、こういう建物は手書きでイメージを膨らませながら作業するのが好みです。ちなみに、道端の屋根なし露天で一夜を過ごすバスもそれはそれで非常に趣深いのでだいぶ迷ったのですが、やはり模型的に映えるのは木造の屋根つき車庫ということで...
型紙が書けてしまえば、形にするのはそう難しくありません。1㎜プラ角棒やt0.3、t0.5あたりのプラ板でさくさくっと形にしました。壁面はトタンが張られた姿とするためGMのコルゲート板を貼り付け、屋根は東北地方の小屋などでよく見る薄い金属板が葺かれたタイプをレシートで再現しました。板目はPカッターで筋を入れ、乗務員休憩室のサッシ窓はジャンク車体のバスコレジャーニーQの窓パーツを使用してハメコミ化しています。
塗装はサフをベースに、木部はエナメルのフラットアース、デッキタン、ハルレッドあたりを適当に混ぜてシャバシャバ。トタン部はラッカーのライトグレーを塗ってからエナメルのダークグレーあたりをシャバシャバしたような気がしますが、随分経ってしまったので記憶が定かではありません。屋根はジャーマングレーを塗ってからウェザリングマスターで撫でたはずです。最後につや消しクリアも忘れずに。
筆塗り&エアブラシが主体になってから、有り物を適当に混ぜて良い感じに~というパターンが増えてどこに何を塗ったか覚えていられなくなりました。再現性ゼロですorz
庫側の窓は適当な透明パッケージを切り出して窓枠を塗装し、少量の木工ボンドで固定しました。このサイズなら、窓枠表現がマスキング塗装だけでも割と良い感じに見えます。入口上部の電灯は透明ランナーを削り出したカバー部とプラ板端切れを緑キャップで貼り合わせました。
電力メーターと臭突をつけたら、残りはベースに固定しないとできない作業になるので車庫は一旦放置です。
1-2 腰折れ屋根の小屋をスクラッチする
そしてもう一つ、このジオラマで大事なストラクチャーが「腰折れ屋根の小屋」です。岩手県内をほっつき歩いているといたるところで目にするこの小屋は、栃電ワールドの地域性を出すにはうってつけの存在といえます。(とはいえ県北より県南の方が多い印象もあります。かと思えば、お隣青森県の十和田市街から焼山に登っていく途中にたくさん建っていたりと分布には結構に偏りがあるようで...?)
この屋根形式、建築用語としてはギャンブレル屋根と言うようですが、まあ細かいことは置いておきましょう。当然製品は出ていないので、こちらもプラ板でスクラッチしていきます。
型紙はこちらも手書きです。ストリートビューで良い感じのプロトタイプを探しながら細かな部分を決めていきました。一応自分でも見かければ撮るようにはしているのですが、他人様の家の庭先にカメラを向けるのが憚られるようなシーンもあり、なかなか数を集められず...。Goo○le様々です。
そんなに大層なものでもないので、適当なプラ板やコルゲート板でちょいちょい~っと工作。車両工作とは違い多少ゆるゆるでもそれらしくなるのが情景工作の良いところです。屋根は出先車庫と同じくレシート葺です。
塗装も相変わらず適当なメニューですが、屋根にクレオスの小豆色、トタン部に贅沢にも国際淡緑調色塗料を使ったことは覚えています。木部は茶色のイメージで行くとえてして赤くなりすぎるので、グレー系に振ることを意識するようにしています。ウェザリングはきつめに。最後にエナメルのフラットグリーンを薄く溶いて建物の裾に滲ませると、湿っぽい感じが出て落ち着きます。
小屋単体での完成写真が出てこなかったので、KATOのヒャクトーと一緒に撮ったものでお茶を濁します。気分は釜石線...
...さて、主要なストラクチャー2棟が揃ったところですが、長くなってきたので今回はここまでです。ジオラマを作ると言いつつ建物しか作っていませんが、次回はちゃんと"ジオ"な部分に取りかかります。
つづく