栃電バス根張車庫のジオラマを作る 2

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 前回は主要な建物を作りましたが、今回は各要素の配置を決めて地形を作って行きます。地形決めはその後の要素配置にも大きく影響するため、ちょっと脱線気味に普段情景工作をするときに思っていることも書いてみました。

 

情景を作る場合は初めにラフスケッチを描く方も多いようですが、私は今のところ、車両や建物の現物をベースの上で色々動かしてみて、あとは脳内補完で完成形を想像しています。想像がある程度固まってきたところで忘れないように要素の平面配置だけは控えておきますが、ジオラマ全体の絵はあまり描きません。

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構成を考える段階は大体こんな感じです。脳内で地形を追加して妄想します。軽を並べているあたり、この時点では現地出退勤も考えていた模様。

 情景の構成を考えるときは、まず初めに「絶対押さえておきたい構図」を一つ決めて、そこに肉付けしていくイメージで進めています。このジオラマで言えば、今回記事のタイトルカットがその構図です。色々追加していくと最終的にもっと別な構図の方が良いじゃん、ということになったりするのですが、小さなジオラマではやはり一つ構図を決めてからかかるほうが構成が散漫にならずに済む気がします。

 

 見せ場の構図を決めた後は要素の細かい配置を考えていきますが、このとき気にしているのが、いかに違和感なく視線を遮るかということです。背景画を使えば何とかなるとはいえ、やはり「世界」の果てがバッチリ見えてしまうのは好ましくありません。決めた構図はカッチリ回収したいので、完成後に写真を撮るときにきちんと画面が埋まるように構成を考えていきます。タイトルカットを例に取ると、右に小屋、奥に木々、左奥にサクラの木を配して、空白となって視線が逃げてしまう方角が極力少なく、また囲まれ感が出るように心がけました。

 大迫ジオラマではバスターミナルや車庫の壁・屋根でかなりガッツリ視線を遮りましたが、今作では山やサクラの木、小屋などにこれを期待しています。道路をカーブさせているのも、変化をつけたいのと同時に、道沿いにのぞき込んだときに視線が通り抜けないで遮蔽物(この場合は山or小屋)にぶつかるようにしたいという意図からです。もう少し後の工程の話になってしまいますが、例として、正面向かって左手前にサクラを一本追加したときに考えていたことを下にまとめてみました。

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サクラの木を追加したときに考えていたことは大体こんな感じです。

 個人的には、視線がスッと逃げると何だか面白くない印象になってしまう気がしているので、できるだけ視線を引っ掛けるという意識で構成を決めています。丸見えだと「そこに何もない」のがバレバレですが、何かで遮れば「世界の外」が気になりにくくなるうえ、その裏側は見る側が勝手に脳内補正して想像してくれますから好都合です。

...と、ここまで意識高めで面倒くさいことをつらつら書き連ねましたが、実際の所は並べてみてエモかったらOK!ぐらいのノリで良いと思います。私自身構図の専門家ではありませんし、微妙な間はなかなか掴めないときもありますが、車両やちょっとしたストラクチャーを並べてみて良い感じなら何とかなると思います。

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 発砲スチロールで地形を作っていくときは「スカスカすぎでは?」となるくらいを目安にしています。後で木を植えたり小物を置いたりすると思ったより狭くなるので、この時点では間が持つのか不安になるくらいが丁度いいです。

 道路は川の上流に向かって微妙な勾配をつけています。人間の目は無駄に良く出来ているのか、完璧に平らな面は思ったより目に付くので、家屋の基礎でなければ気持ち程度でも傾斜を付けるようにしています。大迫ジオラマでも車庫裏の駐車場に少し傾斜をつけたのですが、特に小さなジオラマでは狭いスペースを広く見せる意味でも効果的だと思います。また、今作ではできるだけ面のバリエーションを付けることも心がけました。面の高さや傾斜に変化を付けて、とにかく情報量を増やそうという作戦です。男子は基本的に高低差が大好きなので、ちょとした段差でポイントを稼いで行きましょう(クソデカ主語)。

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面のバリエーションを増やして行きましょう

 

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 大したものも作っていないのに偉そうに語るな若造!といった感はあるのですが、例えば今考えていることを後になって見直したらどんな感想になるんだろうか...みたいな興味もあって、割と攻め気味で思っていることを綴ってみました。かの有名な「手前は低く、奥は高く」というのも、こういうことを端的に表しているのかな...と思ってみたり。エンドレスのレイアウトだとまた事情が違ってくるのかもしれませんが、ミニジオラマでは今回まとめたような考え方で結構行けるんじゃないかしら...と個人的には思っています。進み具合的には地形を作ったぐらいのはずが随分脱線してしまいましたので、次回からはきちんと元の進行に戻します(汗)

 

つづく